「仕事があってもすぐに就くことはできない」とはどういう状態か

前回の記事「仕事があってもすぐに就くことはできない若者」の続編を書いてみたいと思います。前回は、無職で家事も通学もしていない15~34歳人口のうち、「仕事があればすぐに就くことができる」状態にない者は、政府の定義ではニートではないかというお話でした。

今回は、「仕事があればすぐに就くことができる」とは、いったいどういう状態かについて書いてみたいと思います。

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政府(具体的には厚生労働省)が発表しているニート人口の推計や、毎月発表される完全失業者数や非労働力人口などの推計は、総務省統計局「労働力調査」という標本調査がもとです。[注]「労働力調査」は調査票に記入する形式のアンケート調査です。

この調査票に、「仕事があればすぐつくことができますか」という質問項目があり、これに「すぐつくことができる」と回答した者が、そういう状態にある者とみなされます。仕事にすぐ就けるか否かは、回答者の判断によると言えます。

とはいえ、回答者が全く好きなように判断すればよいわけではなく、判断基準が用意されています。

↓ 「調査票の記入のしかた」より。太字はママ。
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○ 「すぐつくことができる」とは、月末1週間(ただし、12月は20~26日)内に仕事につくことできる場合をいいます。

○ C1 で「すでに仕事が決まっている」と答えた人で、今すぐ仕事をしたいにもかかわらず、勤め先の都合や設備の準備などのためにやむを得ず就業日がくるのを待っている場合は、「すぐつくことができる」とします。

○ すでに仕事が決まっている人で、学業、家事、旅行、趣味、病気など自分の都合ですぐつける状況にない場合は、「すぐではないが2週間以内につくことができる」、「すぐではないが2週間より後につくことができる」のいずれかとします。
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2番目の項目にある「C1」 とは、「収入になる仕事につくことを希望していますか」という質問のことです。

3番目の項目は少し分かりにくいですが、これも「仕事があればすぐに就くことができる」状態にないものです。仕事にすぐ就けない理由は何でもよいようです。


最後に蛇足ながらお話しすると、3番目の項目で挙げられた理由のうち、学業や家事が理由で仕事にすぐ就けない人は、ニートではありません。前回でもお話しした通り、政府が定義するニートとは、非労働力人口のうち、家事と通学をしていない15~34歳の若者のことだからです。

[注] 政府によるニート人口の推計は、かつては労働力調査をもとにした厚労省のものと、就業構造基本調査をもとにした内閣府のもの2つが混在していたのですが、現在は前者に統一されています。以下の資料の11ページ参照。厚労省HPへのリンクです。PDFファイル(299KB)。なお、PDFを閲覧するにはAcrobat Readerが必要です。Acrobat Readerはこちら(新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

http://www.mhlw.go.jp/iken/dl/100621a.pdf
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