介護保険で、看護師が引きこもり者の家庭を訪問

訪問先に、たまたま引きこもりの成人の子供が……


訪問看護師が、引きこもり者の家庭を訪問することが増えているという声があります。介護保険の利用で、高齢者のケアのために訪問したところ、たまたま家庭に引きこもりの成人の子供がいたということのようです。背景にあるのは、引きこもり者の親の高齢化でしょう。

↓ 科学研究費助成データベース KAKEN へのリンクです。
◇ ひきこもり者の高齢の親が抱える問題の抽出と支援に関する質的研究 (新しいウィンドウで開く

この描写などは、生々しいです。

訪問時間になると、看護師の視野に入らない部屋に移動する気配が感じられたりといった状況で存在が確認される等のケースは珍しくない。

そういえば、似たようなお話を読んだことがあります。S市でのある研究では、介護保険サービス事業所で働くケアワーカーの4割以上が、ここ1年で中高年化したニートがいるお宅を担当したことがあったそうです。

↓ 詳しくは、こちら。
◇ 親が介護を要する状態にある中高年ニートの存在 (新しいウィンドウで開く

訪問看護師のケアに、引きこもりへの解決策が含まれる場合も


ところで、先程の科研費の研究ですが、私にはこの一節が気になります。

訪問看護師はケアが必要な当事者だけをケアするのではなく、家族全体をケアの対象としてアセスメントしている。従って、訪問看護師のケア実践には、親だけではなく、ひきこもり者が困窮している問題の解決策が含まれていたり

引きこもり者の親のために訪問した看護師が、成人した子供の引きこもり問題に関わる場合があるようです。その中には、引きこもりの支援機関とつながりが持たない例もあるでしょう。それが、こうしたかたちで訪問看護師のケアの対象とされるのだとしたら、妙な巡り合わせです。

我が家にしても、将来のことは分からず、親が寝たきりになったり、私が完全に引きこもりに戻ったりといったことになることもあり得ます。身につまされる話です。もし私がそうなったら、自分の身の事で外部の方に関わられるのは避けたい一方で、何らかの支援がいただけるならありがたくもあり、複雑な心境になるかもしれません。

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people with hikikomori

people with hikikomori という英語表現


people with hikikomori

という英語表現があります。これを、日本語に訳すとどうなるのでしょう。

正解は、「引きこもりの人々」「引きこもっている人々」といったところのようです。引きこもり当事者を表す英語表現は様々ですが、このように表現される場合もあります。

おそらくこれは、"people with (障害や病気)" という英語表現の変形ではないかと思います。例えば、 "people with disabilities" は「障害がある人」という意味です。同様に、次のような表現があります。

○ "people with cancer" 「癌患者」
○ "children with autism" 「自閉症児」
○ "children with selective mutism" 「場面緘黙児」

※ 場面緘黙症は、学校など特定場面で長期間にわたって声が出ず、話せない不安症(不安障害)です。

まず人がいて、そこに……


"people with (障害や病気)" という表現は、私は常々興味深いと感じています。例えば "people with disabilities" だと、まず人がいて、そこに障害がくっついている印象を私は受けます。人と障害は別々という印象です。ですから、訳すとすれば「障害者」というよりは「障害がある人」の方が近いような気がします(意味は同じなんですけれども)。

私が特別な関心を寄せる場面緘黙症などは、長期化すると、緘黙を自分のアイデンティティにする人もいます。一方、英語圏では、緘黙をアイデンティティと考えるべきではないという意見を目にすることがあります。 "children with selective mutism" "children with SM" と書くと、子どもと緘黙は別々という印象を受けます。

people with hikikomori という英語表現はどうなのでしょう。人と引きこもりを分けているように感じられる点は、やはり興味深く思います。ただ、理由は分からないのですが、どこか違和感が私にはありちます。引きこもりそのものは障害や病気ではなく状態を表すものなので、もしかしたらそこが違和感の原因かもしれません。ただ、同じように状態を表す不登校については、students with school refusal とか children with school refusal などという言い方はあるので、その点もおかしくはありません。結局、よく分かりません。

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いただいた拍手(2017年5月)

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